大阪・関西万博で生まれた日本とサウジアラビアのつながりが、鹿児島県・与論島の海で、傷ついたサンゴ礁を再生させる技術へと姿を変えようとしている。
8月上旬、与論島沖の「ヨロンブルー」と呼ばれる青く澄んだ海に、関西大化学生命工学部の上田正人教授(52)が潜った。水深3メートルの海底には金属で組まれた台が設置され、3Dプリンターで作った白い人工サンゴが並んでいる。
白い砂地が広がる海底に組まれた金属の枠組みに、人工サンゴが取り付けられた=2026年8月3日、鹿児島県与論町沖、関田航撮影
上田教授は長さ約5センチのチタン製クリップを取り出し、人工サンゴに取り付けていった。クリップの表面には1、2ミリほどの生きた「ポリプ」というサンゴの個体が付着している。人工サンゴにポリプが広がり、成長していくかを調べる。
人工サンゴにチタン製のクリップをつける関西大の上田正人教授=2026年8月3日、鹿児島県与論町沖、関田航撮影
天然のサンゴにクリップを付け、付着したポリプを人工サンゴに移す。サンゴの一部を折って増やしていく従来法に比べ、傷をほとんどつけずに増やせる可能性があるという。
関西大の上田正人教授=2026年8月4日、鹿児島県与論町、関田航撮影
チタンは、人間の体内に埋め込む医療機器にも使われる。もともと骨の再生を研究していた上田教授は、サンゴの成長と骨形成の過程に共通点を見いだし研究を始めた。
許可を得て採捕した、生きたサンゴにつけられたチタン製のクリップ。「ポリプ」が乗り移っていた=2026年8月3日、鹿児島県与論町、関田航撮影
人工サンゴにつけられた、ポリプが付着したチタン製のクリップ=2026年8月3日、鹿児島県与論町沖、関田航撮影
サンゴ再生に向けた新しい取り…