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大阪大発ベンチャーのクオリプスがiPS細胞からつくった心筋シート=同社提供

大阪大発ベンチャーのクオリプスがiPS細胞からつくった心筋シート=同社提供

 iPS細胞からつくった再生医療製品「リハート」による初の心不全治療を受けた50代の女性と主治医らが21日、大阪市の大阪けいさつ病院で会見した。手術から約3週間がたち、経過は良好だという。女性は退院を翌日に控え、「病気になる前の生活に戻りたい」と話した。

 女性は2022年に外出先で息苦しくなり、救急搬送された。心臓の筋肉(心筋)に血液を送る冠動脈がつまる心筋梗塞(こうそく)による重い心不全だった。

 薬で改善がみられなかったことから、iPS細胞を心筋細胞に変化させシート状にしたリハートを移植する治療を希望。今年9月、大阪けいさつ病院で移植を受けた。

 女性は、まだ効果はわからないが、手術後、深呼吸ができるようになり、「生きていると実感した」と話した。

 主治医の中本敬・循環器内科副部長は「歩行可能な状態で順調に回復している」と説明。今後、自転車を使って運動中の心肺機能を調べる検査などを通じて、効果を見極めていくという。女性は「犬の散歩に行きたい。思い切り走りたい」と話す。

 リハートは大阪大学発ベンチャーのクオリプスが開発。今年3月に国内での製造販売が承認され、9月からは公的医療保険の対象になった。ただ、現在は「仮免許」の状態で7年以内に有効性や安全性を調べ、改めて本承認を得る必要がある。クオリプスは計75人に移植する計画だ。

 対象は心筋梗塞などによる虚血性心筋症の重い心不全患者。開発を主導した大阪けいさつ病院の澤芳樹総長によると、複数の施設で約10人が移植に向けた検討に入っているという。「既存の治療ではよくならない方を一人でも多く助けたい」と話した。(藤谷和広)

リハートの開発を主導した大阪けいさつ病院の澤芳樹総長=2026年10月21日、大阪市、藤谷和広撮影

リハートの開発を主導した大阪けいさつ病院の澤芳樹総長=2026年10月21日、大阪市、藤谷和広撮影

リハートによる治療を受けた女性=2026年10月21日、大阪市、藤谷和広撮影

リハートによる治療を受けた女性=2026年10月21日、大阪市、藤谷和広撮影

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