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Newton 2026年12月号

Newton 2026年12月号

発売日:2026年10月26日

価格:1,350円(税込)

ページ数:144ページ

※この記事は2026年12月号(10月26日発売)の記事の一部を抜粋したものです。

監修 田中謙二 慶應義塾大学医学部先端医科学研究所 教授

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写真左:Jim GENSHEIMER/Medicine / University of Stanford/ AFP/アフロ  写真中央:Philipp PLUM/Humboldt University Berlin/ AFP/アフロ  写真右:University of Wurzburg/UPI/アフロ


ヒトの脳には約860億個もの神経細胞(ニューロン)が存在し,それが複雑な回路を形成して,記憶,学習,感情,そしてあらゆる行動を生みだしている。脳の機能を理解するためには,この回路がどのようにはたらいているのかを解明する必要がある。

ニューロンは,電気信号を用いて情報をやり取りする細胞だ。情報伝達の鍵をにぎるのが,細胞膜に存在する「イオンチャネル」とよばれる膜タンパク質だ。

ニューロンが刺激を受けると,イオンチャネルが開く。すると,細胞の外からプラス電荷をおびたナトリウムイオンが細胞内へ流れこむ。イオンの流入により,細胞の内と外で電位が大きく変わり,刺激となる(発火)。この刺激が次のニューロンへと受け渡されていき,情報が伝達する。つまり,このチャネルの開閉を制御することで,情報伝達のスイッチのオンオフが制御できるのだ。スイッチは,わずかミリ秒(1000分の1秒)単位でオンとオフが切りかわる。

かつて,神経細胞の機能を知るためには,脳に電極を刺して電気刺激を直接あたえる方法をとっていた。この方法では目的の細胞だけではなく,周囲の別の細胞も刺激を受けてしまうという。

カール・ダイセロス博士らは「目的の細胞にのみ,神経伝達本来のミリ秒単位のスピードで,正確に刺激をあたえる」ことを可能にしたのだ。

 

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監修:田中謙二

慶應義塾大学医学部先端医科学研究所 教授

執筆:小倉えり

編集部