北海道釧路市で、ときどき巣から顔を出すオジロワシのひなが見えなくなった。2025年6月、双眼鏡で観察を続けていた猛禽(もうきん)類医学研究所の職員らは異変に気づいた。
オジロワシは環境省のレッドリストで絶滅危惧Ⅱ類とされ、種の保存法に基づく国内希少野生動植物種(希少種)だ。研究所は保全を目的に巣を定期的に見守っている。
親鳥が巣にえさを運ぶ行動がなく、繁殖は失敗したかと思った。確証を得るため、ドローンで遠くの上空から巣の内部を確認すると、ひなが死んでいた。
オジロワシの巣を上空からドローンで撮影すると、ひなが巣の中で死んでいた。ひなはその後、高病原性鳥インフルエンザの感染が確認された=猛禽類医学研究所提供
希少種の猛禽類の死体を見つけたり、環境省から連絡を受けたりした場合、この研究所で死因を調べる。すぐに死んだひなを回収し、病原体の遺伝子を検出するPCR検査をすると、A型インフルエンザ陽性だった。その後、H5N1という型の高病原性鳥インフルエンザ(HPAI)への感染が確認された。
親鳥がえさとして持ってきたカモメの死体がウイルスに感染していて、それを介して、ひなにも感染したと推測されるという。
研究所の斉藤慶輔代表は「冬に流行する鳥インフルエンザが夏でも確認された。刻々とウイルスは変異している。モニタリングをしっかりしないといけない」と警戒感をあらわにする。
猛禽類医学研究所の齊藤慶輔代表=北海道釧路市内
この研究所に初めて感染した猛禽類が運ばれたのは07年2月。
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