絶滅危惧種のアマミノクロウサギをとらえたノネコ=2008年、鹿児島県奄美大島、環境省提供
環境省は、生態系に影響を与えるおそれのある外来生物をまとめた「生態系被害防止外来種リスト」を約10年ぶりに改定する。これまでリストに掲載されていた、野生化したネコの「ノネコ」を、種名の「イエネコ」にする方針が示されていたが、反対意見が相次ぎ、これまでどおり「ノネコ」のまま掲載することになった。
外来種リストは2015年につくられ、今回が初の改定となる。掲載種は429種から600種ほどに増える。
屋外にいるネコには、「ノネコ」、特定の飼い主はいないが人からエサをもらって生きる「ノラネコ」、外で飼われているネコがいるが、すべて同じ「イエネコ」という種だ。野生動物を捕食したり、さまざまな感染症を媒介したりすることが問題になっている。
専門家らでつくるリスト改定の検討会では、これらはすべて野生動物を捕食する外来種であり、感染症の媒介者としても問題があることを明示すべきで、その枠組みが防除の現場を守ることにもつながるとして、「ノネコ」を種名で一括して「イエネコ」とし、「防除推進外来種」に位置づけてリストに掲載する方針だった。
委員からも、「種名の『イエネコ』で掲載すべきだ」、「『ノネコ』としていることで、生態系や感染症の影響が大きいノラネコを除外してしまっては外来種として評価できず、実効性が失われる」といった意見が出ていた。
だが、4月のパブリックコメントの期間が終了した後、愛護団体などから、安易にネコの駆除が進んだり、虐待につながったりする可能性があるといった批判が殺到した。6月下旬以降、環境省には数え切れないほどの電話やメール、手紙で問い合わせや意見が届き、通常の仕事に支障をきたすほどだったという。
そうした経緯を踏まえ、石原宏高環境相が再検討を指示。おおむね了承されていた「イエネコ」案が、土壇場で撤回されるという異例の事態になった。
室内で飼育されているイエネコ
環境省によると、外来種リストに掲載されていても飼っている動物は対象外で、その旨をリストで補うことも検討していたが、「『イエネコ』とすると、誤解を生む可能性がある」として撤回に至った。
検討会の委員の一人は「撤回に…