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 「災害級の暑さ」が日常になった日本の夏。元々暑さに弱い豚を育てる養豚農家では豚が死に、成長が鈍り、出荷量が減っている。業界で起きている変化と、未来を探った。

立ち上がる元気がない子豚=2026年8月3日午後2時49分、三重県伊賀市、柴田悠貴撮影

立ち上がる元気がない子豚=2026年8月3日午後2時49分、三重県伊賀市、柴田悠貴撮影

 茨城県つくば市にある農業・食品産業技術総合研究機構。畜産研究部門の松本光史研究領域長は、豚の暑熱によるダメージについて「より多くの肉を提供することを目的に、早く大きく育つように改良してきたこととも関連しているのではないか」と指摘する。

 そもそも豚は汗をかいて体温を下げることができないため、暑さに弱い。加えて育種改良で大型化したことで、体重あたりの体表面積の割合が小さくなり、熱を逃しにくくなったという。

 松本領域長は「生まれた豚には、1日に1キロ太らせるよう3キロのエサを与えたり、母豚には、十分な母乳が出るように10キロのエサを与えたりして、最大限のポテンシャルを引き出して出荷量を維持している。そこに猛暑が続き、この出荷サイクルを計画通りに回すことが困難になってきた」と指摘する。

母豚の横で横たわる子豚たち=2026年8月3日午後3時4分、三重県伊賀市、柴田悠貴撮影

母豚の横で横たわる子豚たち=2026年8月3日午後3時4分、三重県伊賀市、柴田悠貴撮影

 一方、同研究部門で豚飼養グループ長の井上寛暁博士は2024年、肥育後期の豚が、今後、温暖化でどれくらい生産性が落ちるかをシミュレーションした。

 その結果、25年から35年の夏場(7~9月)には、気温20度、湿度60%の適温環境で育った場合に比べ、関東以南の本州や四国、九州の沿岸・平野部で、1日に増える体重が10%以上低下するという予測が出た。

豚の体重の増え方が減少

豚の体重の増え方が減少

「暑さ対策は養豚経営の前提」

 日本養豚協会(東京都渋谷区)によると、扇風機やミスト装置、豚の首元に水滴を落として体温の上昇を抑える「ドリップクーリング」など、規模や内容に差はあるものの、ほとんどの農家が暑熱対策を行っているという。担当者は「暑さへの対応は今や特別な対策ではなく、養豚経営を続けるための前提」と話す。

母豚に直接水が落ちて体感温度を下げるドリップクーリング=2026年8月3日午後3時18分、三重県伊賀市、柴田悠貴撮影

母豚に直接水が落ちて体感温度を下げるドリップクーリング=2026年8月3日午後3時18分、三重県伊賀市、柴田悠貴撮影

 ただ、効果の高い対策ほど導入や維持に費用がかかる。冷房設備は有効とされるものの、設置費に加えて電気代の負担も大きいため、普及は限定的だという。

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