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SFTSウイルス=国立健康危機管理研究機構提供

SFTSウイルス=国立健康危機管理研究機構提供

 マダニが媒介するウイルス感染症「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」の患者が今年も増えている。例年10月ごろまで患者が多い時期が続く。ハイキングや農作業などで山林や草むらに入るときにはマダニに刺されないように注意が必要だ。

(1)SFTSはどんな病気?

 国立健康危機管理研究機構(JIHS)の調査によると、2026年は8月23日までに129人の患者が報告されている。この時期としては、25年の142人に次ぐペースで増えている。25年は1年間で191人と過去最多だった。

 SFTSは、SFTSウイルスを保有するマダニに刺されるほか、感染したネコやイヌを通じて感染することもある。発熱や嘔吐(おうと)、腹痛などの症状が出る。致死率は27%。治療薬は24年に承認された「アビガン(一般名ファビピラビル)」があるが、高齢者は重症化しやすい。

 患者の発生は4~10月に多い。マダニの多くは春から秋にかけて活動が活発になる。また、この時期に農作業や草刈り、ハイキングなどで山林や草むらに入る機会が増えることが関係していると考えられる。

重症熱性血小板減少症候群(SFTS)の患者数

重症熱性血小板減少症候群(SFTS)の患者数

(2)なぜ感染地域が拡大しているの?

 13年に国内で初確認されて以降、患者数は増加傾向だ。当初は西日本を中心に報告されていたが、近年は関東でも患者の報告が増えている。昨年は北海道で初めて患者が報告された。

 患者の増加や感染地域が拡大している理由について、JIHSの前田健・獣医科学部長は「地球温暖化の影響でマダニが吸血するイノシシやシカなど野生生物の生息域が北上し、ダニが生息する地域も広がっている」と指摘する。

 さらに、耕作放棄地の増加により、人が多く暮らす地域と野生動物の生息域の境界線があいまいになり、人と野生動物が触れやすくなっていることも影響しているとみられる。

SFTSを媒介するマダニの一種=国立健康危機管理研究機構提供

SFTSを媒介するマダニの一種=国立健康危機管理研究機構提供

 昨年確認された北海道の患者は道内でマダニに刺されたとみられ、マダニは渡り鳥が運んだ可能性があるとされる。「予想を超えた広がりで、驚いた。日本全国で気をつけないといけない」と前田さんは話す。

 ただ、ウイルスを持つマダニの割合は流行地でも1、2%ほどとされ、刺されたとしても必ず感染するとは限らない。前田さんは「怖い病気ではあるが、しっかり対策をしていれば感染は防げる」と指摘する。

国立健康危機管理研究機構の前田健・獣医科学部長=2026年7月7日、東京都新宿区、土肥修一撮影

国立健康危機管理研究機構の前田健・獣医科学部長=2026年7月7日、東京都新宿区、土肥修一撮影

■(3)予防策は?マダニに刺さ…

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