※この記事は2026年12月号(10月26日発売)の記事の一部を抜粋したものです。
※本記事は,2026年10月9日までの情報にもとづいています
協力 川勝康弘 JAXA 火星衛星探査計画 MMX プロジェクトマネージャ
前人未踏の挑戦にいどむMMX
JAXAの火星衛星探査機「MMX」は,火星の衛星「フォボス」(画像左上)の砂をもち帰る「サンプルリターン」をめざしている。画像は,火星に到着したMMXの想像図。フォボスの直径は20数キロメートル。MMXは,鹿児島県にある種子島宇宙センターから,H3ロケットによって打ち上げられる予定だ。
JAXA
2026年10月20日,JAXA(宇宙航空研究開発機構)の火星衛星探査機「MMX(エムエムエックス)」が打ち上がる。名前は,「Martian Moons eXploration(火星衛星探査計画)」の大文字部分を組み合わせたものだ。MMXの目的は,火星の衛星「フォボス」の砂を地球へもち帰ること(サンプルリターン)だ。火星圏(火星の重力が支配的な範囲)からのサンプルリターンに成功すれば世界初の快挙となる。
フォボスの起源を解明する
MMXが調べようとしているのは,フォボスがいったいどこからやってきたのか,だ。フォボスの起源には二つの説がある。一つは「捕獲説」,もう一つが「巨大衝突説」だ。捕獲説は,別の場所から飛んできた小惑星が,火星の重力にとらえられて衛星になったとするものだ。巨大衝突説は,火星に別の天体が衝突した際に飛び散った破片が集まってフォボスができたとする説である。
小惑星が火星に捕獲されたものであるとすれば,フォボスは太陽系形成初期の天体がそのまま生き残っていることになる。一方,フォボスが衝突の際の破片からつくられたならば,古い小天体と形成初期の火星の破片がまざり合ったものになる。起源がどちらなのかによって,フォボスの物質組成はことなるはずだ。
協力:川勝康弘
JAXA火星衛星探査計画MMX プロジェクトマネージャ
執筆:岡本典明